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2022年11月15日(ミュンヘン2022年11月14日発表)―インテリジェントなパワーおよびセンシング技術のリーディング・サプライヤであるオンセミ(onsemi、本社 米国アリゾナ州フェニックス、Nasdaq: ON)は、メルセデス・ベンツが戦略的提携の一環として、トラクションインバータにオンセミの炭化ケイ素(SiC)技術を採用したことを発表しました。オンセミのVE-Trac SiCモジュールによって、全電動化メルセデス・ベンツVISION EQXXのトラクションインバータの効率が向上し、重量が軽減され、電気自動車(EV)の航続距離が最大10%延長されます。この電気自動車は、ドイツのシュトゥットガルトからイギリスのシルバーストーンまで1,202 km(747マイル)を走破し、1回の充電で走行した最長距離の記録を保持しています。

VISION EQXX は電気自動車の航続距離と効率の新たな基準を確立しながら、持続可能性とラグジュアリー感を失うことなく、100km(62マイル)走行あたりのエネルギー消費量を10 kWh以下に抑えています。これは、基準となる抗力係数が0.17、軽量設計、転がり抵抗の低減、および同等のバッテリーよりも50%省スペース(および30%の軽量化)で100 kWhを貯蔵するバッテリーを使用して達成したものです。かつてない航続距離の鍵を握るのが、トラクションバッテリーに蓄えられたエネルギーの95%を車輪に伝達する電気システムであり、30%程度しか伝達できない内燃機関(ICE)車から大幅に改善されています。

オンセミで、エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼パワー・ソリューションズ・グループのジェネラル・マネージャーを務めるサイモン・キートン(Simon Keeton)は、次のように述べています。「オンセミは、航続距離を伸ばす優れたSiC技術に加えて、SiCソリューションの供給保証、製造をサポートするのに必要な生産規模、インテリジェントなパワーおよびセンシング・ソリューションの幅広いポートフォリオを提供しています。オンセミのSiCソリューションの高い効率により、お客様はバッテリーのコストと航続距離の間のトレードオフを回避できます」 

差別化のコアピースとなるのが、パッケージングにおける専門技術です。競合他社よりも小さなフットプリントで放熱を改善し出力を高くするのと同時に、パワーモジュールの重量とコストを削減するために重要です。オンセミは、多量SiCブール成長、基板、エピタキシー、デバイス製造、最高クラスの統合モジュール、ディスクリートパッケージ・ソリューションなどのエンドツーエンド供給能力を有する、SiCソリューションの唯一の大手サプライヤです。

electronicaではホールC4ブース101において、VISION EQXXの体験や、それを支えるオンセミの技術の学習、ならびにオンセミの専門家に出会うことができます。この世界有数のエレクトロニクス見本市・会議は、2022年11月15日~18日にドイツのメッセ・ミュンヘン(Trade Fair Center Messe München)にて開催されます。